そこにある何か

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スイーツ「舟和 芋ようかん」【豊田市】

和菓子も好きになっていました、オーライです.

イオンで買い物をしているときに見かけて、久しぶりだな~と手に取ってみたら、無性に食べたくなって購入してきました.
「舟和」の「芋ようかん」. 5本詰  648円(税込).

版画デザインの包装.遠くから見えたこの包装紙で「あ、芋ようかん」と思って近寄りました.何とアイデンティティが確立されたデザインでしょう.

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包装

明治35年(1902年)の創業以来118年にも渡り、愛されている「舟和」の「芋ようかん」.当時、浅草には隅田川で運ばれたさつまいもを扱う芋問屋が多く並んでいたそうです.その芋問屋を営んでいた創業者の小林和助は、当時高級品だった煉ようかんの代わりに、庶民が食べられるようにとの思いと、痛み芋も捨てるのはもったいないとの思いから、さつまいもでようかんを作ることを考え、千葉県船橋市出身の和菓子職人の石川定吉と共に作り出したのがこの「芋ようかん」.

「船」橋出身の定吉浅草の「和」助から和」と名付けたそうです.

ここで少し違和感…
なぜ定吉の方は地名の「船」を取って、和助は名前の「和」を取ってるのでしょう…

ちょっと調べてみました…

痛み芋がもったいないと思って和助に相談を持ち掛けたのは定吉で、2人のアイディアで「芋ようかん」を作ることに.そして和菓子職人だった定吉が、和助に作り方を伝授しながら、「船」橋の「定」吉の店「舟定」を創業.

その後、定吉浅草「舟定」を和助に譲り、栃木県足利市に移り住み「舟定」を開業.そして和助は「舟定」を「舟和」に改名

という話が、現在も足利にある「舟定」で確認できます.「舟定」の創業は(舟和より早い)明治32年(1899年)です.

なるほど、これなら先ほどの疑問もすっきりします.

お互いの店が残り、同じように芋ようかんを名物として、「舟〇」の名で営業を続けている…ということは、暖簾分けをして仲良くしているのでしょう.

 

着色料、保存料、香料を使用せず「さつま芋と砂糖と少量の食塩」のみで作られています.煉りようかんが(糖度が60%程度)1ヶ月以上の長期保存が可能なものが多いのに対し、芋ようかん(糖度が20%程度)は消費期限が2~3日となっています.

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原材料

糖度が65%を超えると水分活性(AW)が急激に低下し、腐敗細菌を含む微生物等が繁殖しにくくなるため(微生物に有害な)保存料を利用せずに長期保存が可能になります.

水分活性(AW)とは食品中の自由水の比率のことです.干物などをイメージしてもらえば、水分が少ないと腐りにくい…というのは理解いただけると思います.

 

内箱にはバックストーリーや食べ方の説明書きがあります.

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内箱

箱を開けると芋ようかんがギッシリ詰まっています.これだけピッタリ入ってますので輸送中にも崩れたりしません.見た目は「ようかん」というより、焼きいものような黄色.「煉りようかん」「水ようかん」のように寒天を使っていないので透明感はありません.煉りようかんの代わりに作られたため「ようかん」の名を冠していますが、別物と考えて良いかと思います.

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開封の儀

フォークで取り出します.刺した感触は確かにようかんっぽいです.しっかりしたかたさがあって簡単には崩れません.隣とくっついているので刺したあとに引き剥がして抜き出しました.それでも形は崩れません.

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1本取り出し

ひとかじりするだけで、さつま芋の甘味と香りが広がります.さつま芋そのものって感じ.安心する美味しさ.さつま芋の繊維質を感じないほど滑らかに仕上げられていて、口当たりも良く、これはもう極められた味.

かじってみても揺らがない.ポロポロ崩れることもなく食べやすいです.

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食してみました

さつま芋は(舟定と同じ)「紅あずま」を使っていると思われます.「紅あずま」は比較的繊維が少なく、強い黄色、ようかんにしたときにしっかりしたかたさが出るようです.

1つそのまま食べたので、後で内箱に書いてあった「オーブンで焼き芋風」「バター焼き」も食べてみようと思っていましたが、仕事を終えて帰ってきたら、既になくなっていたことを付け加えておきます.

 

まとめ
・さつま芋の美味しさを最高に引き出した芋ようかん.

   以上

ごちそうさまでした.既にもう一度食べたくなっています.
「舟定」の繊維が少し残っている、より素朴な感じの芋ようかんも食べてみたくなりましたが、通販もやってないんですよね、足利かぁ…なかなか機会が…